日本インターンシップ学会

 

第12回研究会

日時平成26年5月10日(土)14:00~17:00
場所九州大学箱崎キャンパス文・教育・人環研究棟2階会議室
テーマ高大接続の視点でみるインターンシップ プログラム

今回の研究会では、まず吉本圭一支部長から本テーマに対する問題提起がなされた後、野村徳之氏(ベネッセ教育総合研究所高等教育研究室・アナリスト)より「インターンシップ活動の効果を高めるために求められる高大接続の観点」として、高等学校の視点から講演いただきました。ベネッセの調査結果を用い、進学後の大学生の進路変更の意向は、不本意入学など入学大学の志望度が低いほど転学意向が高い(第3志望以下だと転学意向は63.0%になる)ことが示された。また、進学先に不満はないが一定数の学生が転学意向(45.0%)、退学意向(35.3%)がある現状があるものの、進学先の満足度が上がれば転学・退学を踏みとどまることが示されました。学生に対する進学先への満足度を高めるためには、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーに基づいた学生に成長を実感させる教育プログラムが効果的であることが提言され、それらをインターンシップと教育プログラムとを有機的に結びつけた先端的な事例が紹介された。

次に松高政会員(京都産業大学)より「京都産業大学におけるコープ教育の現状と課題」につい大学の事例発表をしていただき、京都産業大学におけるキャリア形成支援教育の組織的な変遷からコーオプ教育プログラムの具体的な事例などが紹介された。京都産業大学の特徴的な「オノオフ・キャンパス・フュージョン」プログラムが、現在は教員の負担を軽減し、継続的な運営へと発展的に展開した大学と社会とのサンドイッチ型教育プログラムについて、またインターンシップ科目の運営における外部講師と専任教員との役割分担などプログラムの開発者、実践者ならではの細かな具体事例が示された。「Onキャンパス」の授業事例の紹介では、野村氏の講演で指摘された不本意入学者への定着に向けたプログラムの実践事例などインターンシップや初年次教育を担当する教員のFDにつながる内容が報告された。興味深い報告内容に九州以外からの参加者も多く、の質疑も活発に行われ、盛会のうちに研究会を終えることができた。

プログラム14:00~14:10 開会のあいさつと問題提起  吉本 圭一
14:10~15:10 講演「インターンシップ活動の効果を高めるために求められる高大接続の観点」
       ベネッセ教育総合研究所 高等教育研究室 アナリスト 野村 徳之 氏
15:10~15:20 休憩
15:20~16:20 大学事例発表「京都産業大学におけるコープ教育の現状と課題」
       京都産業大学経営学部 准教授 松高 政 氏
16:20~16:50 統括討論
16:50~17:00 まとめと閉会の挨拶
    *司会進行 酒井佳世(日本インターンシップ学会九州支部運営委員)
top