第26回研究会
テーマ | 「教育と職業の接続に対してインターンシップが果たせる役割」 |
日時 | 令和3(2021)年7月31日(土) 14:00~16:00 |
形式 | オンライン(Zoom) |
プログラム | 司会・進行 眞鍋和博会員(北九州市立大学) 14:00~ 開会挨拶・趣旨説明 吉本圭一会員(九州大学名誉教授) 14:10~ 報告1「教育としてのインターンシップ再考」 吉本圭一会員(九州大学名誉教授・滋慶医療科学大学) 14:40~ 報告2「インターンシップ研究のあゆみ」 江藤智佐子会員(久留米大学) 15:00~ 休憩 15:10~ 全体討議 ディスカサント「企業におけるインターンシップの位置づけ」 古賀正博会員(九州インターンシップ推進協議会) 16:00 終了 |
2021年7月31日(土)にオンライン(Zoom)形式で2021年度九州支部総会ならびに第26回研究会を開催しました。支部総会では吉本圭一支部長(九州大学名誉教授)の挨拶に始まり、本年度は支部役員改選となるため、新たな支部役員候補が提案され承認されました。九州支部創設以来支部長を担当された吉本圭一会員は顧問に、新支部長には眞鍋和博会員が就任しました(詳細は学会ウェブサイト参照)。続いて2020年度会計報告・活動報告がなされ、岡本信弘監事(博多工業高等学校)から会計監査報告が行われ承認されました。最後に2021年度予算計画・活動計画が示され、年2回の研究会計画についての検討がなされました。
支部総会後に『教育と職業の接続に対してインターンシップが果たせる役割』をテーマに第26回九州支部研究会が開催されました。
吉本圭一会員(九州大学名誉教授)から開会挨拶・趣旨説明として、今回の研究会のテーマ設定について、2021年3月30日に経団連から発表された『Society 5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方』が発端となったことが説明されました。そこではインターンシップの意義が「業界や企業で働くことの意義などを学」ぶことや、「企業側、学生側双方が、就職におけるマッチングの精度を高めてミスマッチを減らす」こととされており、教育としてのインターンシップという学校側からの視点が希薄であり、今一度、教育としてのインターンシップの意義を再考するために、学会が取り組んできた研究内容も含め、今後のインターンシップの在り方、意義等を考える機会としてテーマ設定がなされたことが示されました。
報告①は吉本圭一会員から「教育としてのインターンシップ再考」と題し、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」のインターンシップ定義の検討を踏まえ、政策支援による大学主導の短期、無報酬・非労働者性、職業移行に関わらないインターンシップに対して学生参加率がなぜ低いのかという政府統計データのからくりについての説明がなされました。今後のインターンシップの在り方として、高等教育のグランドデザインとインターンシップへの提言、そのためのインターンシップと「専門分野と関連する就業体験」の職業的レリバンス、そして職業統合的学習(WIL)に領域拡大を遂げるために、今後の日本インターンシップ学会の方向性についての論考が示されました。
報告②は江藤智佐子会員(久留米大学)から「インターンシップ研究のあゆみ」と題し、研究としてのインターンシップ再考のために、学会誌『インターンシップ年報』の研究変遷が示されました。インターンシップから職業統合的学習(WIL)へと研究対象領域を拡充するための方策としての事例等が示されました。
この2つの報告を受け、全体討議ではディスカサントとして古賀正博会員(九州インターンシップ推進協議会)から産学連携教育としてのインターンシップの今後を検討する上で、「リアルな社会(課題)をフィールドにした実践的学びが学生も社会人も常態化」にはどのような方策があるかという話題提供がなされました。フロアも交え、教育機関、企業採用担当者など多様な立場の参加者とともに今後のインターンシップを再考する活発な議論が展開されました。
39名の参加者(うち九州支部以外17名、非会員11名)があり、オンラインならではのメリットとして、地域に関係なく参加できること、業務の合間にスポット的に参加することができることなどの声も聞かれ、盛会のうちに研究会を終えることができました。
(九州支部事務局長 江藤智佐子・久留米大学)