第35回研究会
| テーマ | 海外インターンシップにみる学びの架け橋 |
| 日時 | 2025年8月3日(日)13:30~15:30 |
| 開催形式 | 対面とオンライン(Zoom)の併用 |
| 会場 | 久留米大学福岡サテライトキャンパス |
| プログラム | 司会・進行 桑畑 夏生 会員(宮崎大学 講師) 13:30~13:40 開会挨拶・趣旨説明 副支部長 古賀 正博 会員(九州インターンシップ推進協議会 専務理事) 13:40~14:10 報告① 越境学習としての海外でのインターンシップ 「東南アジアにおける海外インターンシップ『fullasia(フラジア)』の事例」 松口 健司 氏(VERSE株式会社・代表取締役) 14:20~14:50 報告② 台湾大学生の日本企業でのインターンシップ 「台湾の大学生と熊本をつなぐインターンシップ ―熊本商工会議所との連携事例-」 濱本 伸司 会員(一般社団法人 フミダス・代表理事) 15:00~15:20 総括討論 15:20~15:30 閉会挨拶 支部長 眞鍋 和博 会員(北九州市立大学 教授) |
2025年8月3日(日)に久留米大学福岡サテライトにおいて、第35回九州支部研究会を開催しました。今回の研究会は、往還の実践の場として海外インターンシップに焦点を当て、地域や産業界との連携を通じた取組みを踏まえながら、その学びの意義と課題について議論を深める場となりました。
副支部長の古賀正博会員(九州インターンシップ推進協議会・専務理事)より開会挨拶と趣旨説明があり、海外に送り出す側と受け入れる側の双方から事例を共有する意義が示されました。
はじめに、松口健司氏(VERSE株式会社・代表取締役)から「東南アジアにおける海外インターンシップ『fullasia』の事例」と題して報告がなされました。大学時代の自身のインターンシップ経験から立ち上げた事業であり、学生が現地企業で挑戦的な課題に取り組む中で、越境学習の重要性やキャリア観の広がりが得られることが紹介されました。発表後の質疑では、現地での安全管理や学生支援のあり方、大学との連携の形について具体的な質問が寄せられ、参加者からの関心の高さがうかがえました。
続いて、濱本伸司会員(一般社団法人フミダス・代表理事)から「台湾の大学生と熊本をつなぐインターンシップ―熊本商工会議所との連携事例―」の報告が行われました。台湾大手半導体企業の進出に伴う人材需要の変化を背景に、地域企業と大学生をつなぐ仕組みを構築した経緯が紹介されました。熊本の企業が台湾学生を受け入れる際の課題や、地域社会にとっての新たな学びの可能性について具体的な実践が示され、フロアからは言語・文化の違いをどう乗り越えるかについて活発な意見交換が行われました。


総括討論では、海外インターンシップの意義を「単なる就業体験にとどまらず、異文化理解や地域産業との協働を通じた新たな価値創出の場」として位置づける意見が多く出されました。また、送り出し・受け入れ双方の課題を共有することで、今後のプログラム改善や研究への展開に向けた示唆が得られました。


最後に眞鍋和博支部長(北九州市立大学・教授)より閉会挨拶があり、参加者が互いに学び合い、海外との連携を通じて研究と実践の双方を発展させていくことへの期待が示されました。
今回の研究会は非会員を含む計28名(対面14名+オンライン14名)の参加があり、終了後も海外インターンシップの具体的展開に関する議論が続くなど、実り多い研究会となりました。
(九州支部広報委員 桑畑夏生・宮崎大学)
開催要項はこちらをご覧ください: PDF版