日本インターンシップ学会

 

第19回研究会

日時平成29年6月3日(土)13:30~16:00
会場九州大学箱崎キャンパス 文・教育・人環研究棟 2 階会議室
テーマ多様なインターンシップ実践事例共有会
プログラム13:30~15:30 実践報告
   (1) 実践型インターンシップ <西九州大学>
   (2) 中間支援組織のインターンシップ <九州インターンシップ推進協議会>
   (3) ギャップイヤー型インターンシップ <長崎短期大学>
   (4) 正課型長期インターンシップ <北九州市立大学>
15:30~16:00 総合討論

※プログラムなどの詳細につきましてはこちらをご覧下さい

去る2017年6月3日(土)に九州大学箱崎キャンパスの文・教育・人環研究棟会議室において、九州支部第19回研究会を開催しました。インターンシップの多様化は、期間や実習先だけにとどまらず、教育・実施形態、正課内外など実習の位置づけなど、多岐にわたるようになってきました。そこで、今回のテーマは「多様なインターンシップ実践事例共有会」と題し、組織的に積極的なインターンシップを実践している異なるタイプの4つの機関に登壇いただき、その活動内容と成果を事例報告いただいた後、参加者と共に課題を共有し、今後の展開を相互に検討し合うアプローチをとることにしました。

第1番目は、実践型インターンシップの事例として西九州大学の井本 浩之氏と石川 聖子氏から「体験型学修を通じてDPを具現化する取組~西九州大学におけるインターンシップの位置づけという観点から~」と題し、サービスラーニング、インターンシップ、PBL学修などを「体験型学修」とし、すべて正課科目(「あすなろう体験Ⅰ~Ⅲ」と専門教育科目の地域志向型(体験型)科目)に配置した全学的な取組みについて、全学生が履修するカリキュラムをディプロマポリシー(DP)に基づき具現化していることが示されました。続いて、一般社団法人九州インターンシップ推進協議会のチェ・キョンミ会員より仲介組織として「産学官連携による地域の人材育成」について、年間約1,000名にインターンシップの機会を提供できる仕組みと組織体制づくりを確立した経緯、そして2週間程度の一般的なインターンシップにとどまらず、中期実践型、地域密着型、PBLなど学生の能力を伸ばすための課題解決型のプログラムの開発や留学生支援自治体連携など将来を見据えた取組みについても精力的に取り組んでいることが報告されました。3番目として、長崎短期大学の藤原由衣子会員・中野 明人会員・牟田 美信会員より「短期大学におけるギャップイヤー型インターンシップの導入と実践」について、クォーター制を導入し、4か月のギャップイヤー(正式にはギャップターム)を設定することで、インターシップや留学、地域と連携したサービスラーニングの参加で単位認定を行う仕組みや実習期間の学生へのきめ細かな対応を行う教員体制、その後の評価測定の方法などについても報告されました。最後に、北九州市立大学の片岡 寛之氏より、「地域創生学群チャレンジプログラム」というテーマで地域創生学群の取組みについて、1年次からの2年間の地域実践活動の後、チームを離れて週3日、フルタイム勤務、5ヶ月間の長期インターシップなど多様な期間・実施形態を正課型長期インターンシップとして休学せずに実施していることが報告されました。

どの報告も担当者・教員だけが熱心に取り組むだけでなく、組織的な体制づくりや連携体制、科目間の関連など、展開に示唆を与える報告でした。この中から3団体が槇本記念賞「秀逸なるインターンシップ」として、九州支部からエントリーすることになりました。

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