日本インターンシップ学会

 

第23回研究会

日時平成31年3月9日(土)13:30~16:15
場所リファレンスはかた近代ビル貸会議室
テーマ「グローバルに往還するインターンシップ」

九州支部では、第23回の研究会を平成31年3月9日(土)に実施しました。今回は「グローバルに往還するインターンシップ」と題して、国際インターンシップのコーディネート、受け入れ先企業、学生を送り出す教育機関、そして留学生のインターンシップなど3部構成で事例報告が行われ、その後、参加者の皆様と議論を深めました。

はじめに、吉本圭一支部長(九州大学)から本研究会の趣旨説明がなされ、報告①として崔 耿美会員(九州インターンシップ推進協議会)から「韓国の就職事情と国際インターンシップの派遣アプローチ」について、韓国の就職事情や海外就職の変遷、さらに、政策的な取り組みである「k-Move事業」の現状や今後の課題について報告がなされました。引き続き、報告②では、元 美和会員(地域企業連合会九州連携機構)から「海外インターンシップコーディネートの現状と課題」というテーマで、釜慶大学における日本企業へのインターンシップの現状をコーディネートの立場から報告がなされ、今後は大学、受入企業、そして、コーディネーターがさらなるプログラムの改善を行い、インターンシップを日本企業への就職機会とすることが紹介されました。次に、受入企業として報告③では、深野慧甫氏(グルーヴノーツ)から「海外インターンシップ受入先企業としてのグローヴノーツの取組み」として、留学生を対象とした約2ヶ月の課題解決型インターンシップのプログラム事例が報告されました。このインターンシップでは、AIを活用したプログラミングで学生自ら課題を設定し解決するプロセスを学べること、さらに、専属のインターン生担当社員を配置しないことで、適度な放置型の方が効果につながることなどの示唆が得られました。

第二部では、海外インターンシップに送り出す教育機関の事例として報告④では、見舘好隆会員(北九州市立大学)から「海外インターンシップ設計の秘訣とその成果」と題して、精緻に設計されたPBL型インターンシップの事例報告がなされました。PBL型インターンシップにおいて担当者自らの現地での事前打合せやインターン中の現地巡回、参加学生へ丁寧な選考と手厚い事前研修などが紹介され、今後の課題として、カリキュラム化や運営の標準化、継続的な予算は難しいことなどが報告されました。次に、報告⑤は「APU留学生インターンシップの現状と今後の方向性」について松井かおり氏(立命館アジア太平洋大学)から、開学以来18年間の取り組みと課題について報告がなされ、留学生インターンシップでは、カリキュラム化に向けた取り組み事例が示されました。報告後は、フロアと交えての総括討論に入り、本研究会でのテーマは多様な文化の中でのインターンシップでしたが、成功裡に導く共通条件として環境適応力やタフさ、加えて関心度の高さや当事者意識を持つことが指摘されました。最後に吉本圭一支部長から、海外インターンシップのプログラムについて「かすり傷」「放置」による苦労体験と自立型取り組みと、未熟な学生への安全性への拝領のバランスなどの論定が重要であると課題提起されました。当日は非会員も含め18名の参加者がありました。

※プログラムなどの詳細につきましてはこちらをご覧下さい

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