日本インターンシップ学会

 

第27回研究会

テーマ「実践」を「研究」につなげるには -スタートアップ支援研究会-
日時令和4(2022)年3月19日(土) 13:30~16:00
形式オンライン(Zoom)
プログラム司会・進行 江藤 智佐子 会員(九州支部副支部長・久留米大学)
13:30~ 開会挨拶・趣旨説明
      眞鍋 和博(九州支部長・北九州市立大学)
13:40~ 発表①「インターンシップ・PBLにおけるプログラム制度と専門人材の動静
      ~アセスメントによる教育効果の検証と実践型教育の意義と課題~」
     発表者;嶋田 文広 会員(熊本学園大学 講師)
     指定討論者;平尾 元彦 会員(山口大学)
14:20~ 発表②「企業・施設側からみる大学生インターンシップの成熟の段階と負担の構造」
      ~受け入れ担当者のインタビュー調査より~
     発表者;角光 通子 会員(宇部フロンティア大学キャリア支援センター就職課長)
     指定討論者;吉本 圭一 会員(滋慶医療科学大学)
15:00~ 発表③「コーディネータとしての仲介組織の実践事例」
     発表者;濱本 伸司 会員((一社)フミダス 代表理事)
     指定討論者;江藤 智佐子 会員
15:40~ 総括討論
16:00  閉会挨拶
     古賀 正博 会員(九州支部副支部長・九州インターンシップ推進協議会)

司会・進行 江藤 智佐子 会員(九州支部副支部長・久留米大学)

九州支部では、2022年3月19日(土)にオンライン(Zoom)形式で第27回研究会を開催しました。インターンシップが量的に拡大する一方で、研究のすそ野を広げていく必要があるという問題意識の下に、今回の研究会のテーマを設定しました。合言葉は「学会大会へGO」です。これまで主としてインターンシップの実践に携わってきた方、これからインターンシップ研究を開始する会員へ、その研究のスタートを支援するという目的で開催し、3名の会員から発表がなされました。

嶋田文宏会員からは、豊富なインターンシップ実践経験の中から、特に専門人材が関わる効果やその必要性について発表がなされました。指定討論者の平尾元彦会員からは、「専門人材」とはいかなる機能を持ちうるのかなどその定義を明確化する必要性や、多様な実践機会を比較する研究の可能性などが示されました。

角光通子会員からは、インターンシップ受け入れ側の関与にいくつかのタイプがみられることや、段階を経ながら成熟していくこと等が質的調査の綿密な分析から導き出された結果について発表されました。指定討論者の吉本圭一会員からは、実習先からの利害関係者として研究に参加する際の立ち位置をどう考慮していくのか、研究上使用する言葉の定義を明確にすることなど、調査設計の際の基本的な枠組みについてのアドバイスがなされました。

濱本伸司会員からは、中間支援団体として多様な連携でのかかわりによる実践型インターンシップ事例が発表されました。指定討論者の江藤智佐子会員からは、多様な実践事例をどのようなテーマに絞り込んでいくか、豊富な事例と熱意を研究発表に転換する際のコメントがなされました。

今回の研究会では、指定討論者を予め定め、事前に発表者が希望するアドバイスの要望を打ち合わせる時間を設けて研究会にのぞみました。学会での発表が初めての会員にとっては、この方式が心理的な負担軽減にもつながり、非常に有効に機能したように感じました。

参加者は20名(うち非会員6名)でした。終了後アンケートにも「研究者を育成しようという空気を非常に感じることのできる研究会でした。」「実践(事例)からの研究への方法について詳しく解説いただきました。」などのコメントが寄せられ、まさにスタートアップに相応しい議論がなされたのではないかと考えます。今後は、発表者の皆さんが本年8月27日・28日に久留米大学で開催予定の「日本インターンシップ学会第23回大会」への発表に向けて準備を進め、発表の舞台に立っていただくことを応援したいと思います。

(九州支部長 眞鍋 和博・北九州市立大学)

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