日本インターンシップ学会

 

第29回研究会

テーマ「実践」と「研究」との対話-スタートアップ支援研究会(2)
日時2023年3月27日(月) 15:00~17:00
形式対面とオンライン(Zoom)の併用
会場久留米大学福岡サテライトキャンパス
プログラム司会・進行 江藤 智佐子 会員(九州支部副支部長・久留米大学)
15:00~15:10 開会挨拶・趣旨説明 支部長 眞鍋 和博 会員
15:10~16:00 発表① 2022年度高良記念研究助成 中間報告
   「選択必修科目における実践型インターンシップ経験による教育効果の検証
   -宮崎大学地域資源創成学部『国内インターンシップ』の事例をもとに-」
     桑畑 夏生 会員(宮崎大学 講師)
   コメンテーター 平尾 元彦 会員(山口大学 教授)
16:00~16:50 発表②
    「(仮題)地方創生インターンシップが地元就職に及ぼす影響について
    -U市の事例として-」
     小嶋 紀博 会員(別府大学 准教授)
    コメンテーター 渡邊 和明 会員(鹿児島大学 助教)
16:50~17:00 総括 会長 吉本 圭一 会員(滋慶医療科学大学/九州大学名誉教授)

2022年度第2回(通算第29回)の九州支部研究会は、「研究型」として昨年度取り組み始めた「全国大会へGO!」を合言葉に「『実践』と『研究』との対話-スタートアップ支援研究会(2)-」として、2023年3月27日に久留米大学福岡サテライトキャンパスにおいて対面とオンライン(Zoom)の併用で開催しました。

司会を担当する江藤智佐子会員(久留米大学・教授)より、「研究型」の本研究会についての趣旨説明として、研究を始めて間もない会員をサポートする取組みであること、発表者それぞれにコメンテーターが配置され、研究へのアドバイスを行う形式で開催する旨が説明されました。

1番目の発表は、2022年度高良記念研究助成の授賞者である桑畑夏生会員(宮崎大学・講師)より、中間報告として、「選択必修科目における実践型インターンシップ経験による教育効果の検証-宮崎大学地域資源創成学部『国内インターンシップ』の事例をもとに-」について,選択必修科目、教育効果、実践型インターンシップを軸に現段階までの研究成果について報告がなされました。続いて、コメンテーターの平尾元彦会員(山口大学・教授)から、発表内容について論点整理と今後の研究アプローチについて今後研究を進める上での具体的なアドバイスがなされました。

2番目の発表は、小嶋紀博会員(別府大学・准教授)より「地方創生インターンシップが地元就職に及ぼす影響について-U市の事例として-」と題し、現在担当しているU市でのインターンシップ科目の取組みに関する報告がなされました。続いてコメンテーターの渡邊和明会員(鹿児島大学・助教)から研究の枠組みや言葉の定義についてなど、研究発表の際の具体的な方法など事例報告としての取りまとめ方について具体的なコメントがなされました。

最後に総括として、吉本圭一会員(滋慶医療科学大学/九州大学名誉教授)より、自校の取組みを研究発表する際に陥りがちな対象を相対化する観点でのアプローチの大切さや、政策用語をそのまま踏襲せず今一度問い直す批判的な思考力の必要性が示唆されました。さらに今後の展開について、実践型の発表者には槇本賞を、研究型を目指す発表者には高良記念研究助成を目指して欲しいとエールが送られました。

参加者からも実践を研究にするためには、「実践型」の用語定義やモチベーションアップのために使われる言葉を研究用語に置き換えることの難しさ、実践を研究につなげるためには何が必要なのか、相互で意見交換がなされました。

参加者数は20名(会場参加8名、オンライン参加12名)でしたが、小規模な研究会だから質問しやすい雰囲気となり、「共通感覚」の齟齬を再確認する場となりました。

(九州支部副支部長 江藤智佐子・久留米大学)

top