日本インターンシップ学会

 

第37回研究会

■企画趣旨
 本学会の設立趣意書にはインターンシップ研究について、「単なる職業教育や技術教育の域を出て、教育学、経済学、労働法、社会学、心理学、科学技術などの幅広い観点からインターンシップを捉えること」の必要性、そして「学問としてのインターンシップの研究の意義」として実践から研究への探究の必要性が提示されています。職業統合的学習(Work Integrated Learning : WIL)にかかる実践を研究につなげるプロセスとして、研究の入り口に立った会員への研究サポートを2021年から開始し、今回で5回目となります。
 研究発表の練習を通じて、高良記念研究助成への応募、全国大会等での研究発表につながるスタートアップ支援として研究会を企画しております。日々の実践を相対化し、研究につながる議論を皆様と一緒に共有できれば幸いです。

テーマ「実践」と「研究」との対話-スタートアップ支援研究会(5)-
日時2026年4月18日(土) 13:00~15:00
会場熊本学園大学 新1号館3階132教室
  ※対面とオンライン(Zoom)の併用
プログラム【司会・進行】 桑畑 夏生会員(宮崎大学 講師)
13:00~13:10 開会挨拶・趣旨説明 支部長 江藤 智佐子会員(久留米大学 教授)
13:10~14:00 発表① 2025年度高良記念研究助成 中間報告
        「実践型インターンシップにおける社会人基礎力自己評価の低下現象
        ―量的分析を中心とした中間報告―」
          新村 拓也会員(宮崎公立大学 特任准教授)
          コメンテーター 江藤 智佐子会員(久留米大学 教授)
14:10~14:50 発表②「企業インターンシップにおける価値共創構造のサービス学的分析」
          平川 将綺会員(中京学院大学 助教)
          コメンテーター 眞鍋 和博会員(北九州市立大学 教授)
14:50~15:00 総 括・閉会挨拶 吉本 圭一会員(九州大学 名誉教授)

2026年4月18日(土)に第37回研究会『「実践」と「研究」との対話-スタートアップ支援研究会(5)-』を熊本学園大学において、対面とオンラインの併用形式で開催しました。本研究会に先立ち、「日本インターンシップ学会 第27回大会」の開催に関し、大会実行委員長の嶋田文広会員(熊本学園大学・講師)より説明がなされました。
 開会挨拶・趣旨説明では、九州支部長の江藤智佐子会員(久留米大学・教授)から、2022年度から始まった「スタートアップ支援研究会」は今回で5回目となり、研究の初期段階における若手研究者の育成支援が目的であることが説明されました。
 はじめに、「2025年度高良記念研究助成」の中間報告として新村拓也会員(宮崎公立大学・特任准教授)から「実践型インターンシップにおける社会人基礎力自己評価の低下現象―量的分析を中心とした中間報告―」について報告がなされました。インターンシップ参加学生の自己評価が全体的に上昇しているという先行研究が多い中、一部学生での自己評価が低下していることに着目し、その実情と要因を解明するアプローチなど研究の進捗状況が発表されました。量的調査から全体像を把握し、自己評価が低下した学生の焦点をあて、さらに活動報告書のテキスト分析、半構造化面接法によるインタビュー調査を計画中であることが報告されました。この報告を受け、コメンテーターの江藤智佐子会員(久留米大学・教授)から、学術的な問いと研究目的の明確化や先行研究のさらなる検討の必要性、そして今後の調査計画等について具体的なフィードバックがなされました。フロアからも学生による主観的な自己評価に対する評価指標の定義や、焦点を絞った研究の整理などのアドバイスがなされました。
 次に、平川将綺会員(中京学院大学・助教)から「企業インターンシップにおける価値共創構造のサービス学的分析」と題し、サービス学の視点から、経済的価値と社会的価値の両立を図るインターンシップ設計への示唆を得ることを目的とした発表がなされました。この発表を受け、コメンテーターの眞鍋和博会員(北九州市立大学・教授)から、「価値」をどう設定するのか、それをどのように測定するのかという課題の提示と、一般化・汎用化に向けた具体的なプログラム設計の可能性等についてアドバイスがなされました。フロアからも、研究の方向性について、サービス学の基礎となる経済学の視点と、インターンシップにおける価値創造の側面に対するコメントが寄せられました。
 総括では、吉本圭一会員(九州大学名誉教授、東京情報デザイン専門職大学客員教授)から、本日の発表者二名の研究アプローチは対照的で、それぞれの探究の先には学術研究型アプローチと職業実践型アプローチがあると理解できる。そして、本日のそれぞれに対するコメントやフロアの議論では、異なるアプローチに固有の困難や課題が指摘されていることが確認できる。それ故に、異なる界からのアプローチを相互に学んでいくことの重要性という観点が明らかになってきた。あらためてインターンシップが「教育」と「職業」の界を往還する学びであり、それを仲介する学会関係者もまた、界を意識的に往還し学んでいくことが重要であると強調されました。
 研究会の参加者は、20名(対面 15名+オンライン5名、うち非会員5名)の参加があり、休憩時間、研究会終了後も活発な意見交換が行われ充実した研究会となりました。 


(九州支部広報委員 渡邊和明・鹿児島大学)

開催要項はこちらをご覧ください: PDF版

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